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ベストセラーを育てたい! 栗田読書倶楽部推薦!

『イニシエーション ラブ』原書房
著者:乾 くるみ




『イニシエーションラブ』
【乾くるみ著 原書房 \1,600+税】

 メフィスト賞作家の『乾くるみ』がまたまたやってくれました! 驚愕、感心すること間違いなしです。

 警告! この本を読もうと思っている人は、この先は読まないほうが絶対いいです(マジで)!

仕掛けのタネ!

●ただの恋愛小説と侮るなかれ、この話しにはちょっとした「しかけ」があります。ポイントは、どこで気がつくか、いくつ気がつけるか、です。普段、「先入観を持って本を読むのはイヤだ!」と考えの方も、あえて挑戦する気持ちで読んでみてはいかがでしょうか?

●一読だけでは恋愛小説、ニ読したならあなたは気付き、三読せずにはいられない。そんな小説であります。ほんと、普通の恋愛小説だと思ってましたよ、読み終わっても。そんな自分の理解度が3%だったと気付いたのは、この本を薦めてくれたS君から、あることを聞いたおかげであります。いや、単に自分がアホだって話しで、普通の人なら一読目に気がつくことですが…。ともあれ、再読せずにはいられない小説であることは、間違いない。

 

 ある日、当課の若衆S君から「課長、すごい本見つけちゃいました、“葉桜の季節に君を想うということ”(歌野晶午・文春)級です!」とハアハア言いながら同書を薦められる。S君は昨年入社で、国内ミステリーの読書量では社内屈指の読書家である。前述の“葉桜〜”も刊行早々に読破し、すぐさまその年のベストワンを予想したした程で、彼が鼻の穴を広げて薦める本であるならば、すぐ読まねばと、早速借りました。ちなみに彼は私に余計な先入観を与えないよう、わざと帯びを外した状態で貸してくれ(これが実はミソであった)

 物語は1986、7年の東京、静岡が舞台であり、構成はレコードに見立てた2部立て(A面・B面)となっている。また当時のヒット曲がチャプターになっており、80年代ノスタルジック仕立ての青春ミステリー小説だな、というのが、読み始めた当初の印象。しかし、読めど読めど、いつまでたっても事件が起こらず読了してしまい、アレッと思った。青春小説としてはそれなりに楽しめたが、S君が鼻の穴を広げて薦める程の小説かいな、というのが率直な感想であった。もしかしたら、ただの青春小説だったのか? と思ったが“ミステリーリーグ”というシリーズだしー、作者の乾くるみはメフィスト賞作家だしなーと思いつつ(こんな時、帯が無いのが実にくやしい)、S君に文句を言おうと思いました(マジで)。

 しかし、S君がただの青春小説を貸す理由もなく、何かがおかしい、どうにも腑に落ちないといった印象があまりにも強く(確かに所々、違和感がある)、とうとう再読をしてしまいました(読み終えてすぐ、再読なんて過去にも数作品しかない)。再読し終えて吃驚仰天!なぜって、なぜって、それは読んでのお楽しみー!!

 とにかくこの本は余計な先入観なしに、とにかく読む事!それが一番です。先入観が無ければ無い程、面白く読める事間違いありません。でもここまで読んでしまったらもう駄目かもね、残念!

 この小説の舞台は静岡。主人公は読書好きということもあり戸田書店も登場します。一見、著者の趣味なのでは? と思われるこの設定が後に重要な意味をもつことに! どんな些細な台詞にも意味がある。こんな緻密な小説は今までになかった。