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ということですが、2000年の「子ども読書年」の流れを組んでいる以上、やはり子どもたちが本好きになるようなラインナップを考えるべきだろう、という基本姿勢に立ち返り、児童書のオススメを考えてみました。
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●『穴』(ルイス・サッカー 講談社)
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空から降ってきたスニーカーを「盗んだ」かどで、荒野の真ん中にある矯正施設にぶちこまれ、来る日も来る日も穴を掘らされるはめになったスタンリー。生まれてこのかた不幸続きのこの少年は、しかしこの施設の所長をはじめ、大人たちが何か重大な秘密を隠していることに気がつくが・・・。
とにかく先祖代々「ツイてない」うえに、勉強も運動もパッとしないひ弱な少年が、それまでの不幸の累積を一気にひっくり返すような逆転劇を繰り広げることになる本書であるが、その「逆転劇」にいたるまでの、さまざまな偶然の連鎖が素晴らしい。一見すると本筋とは関係のないエピソードや、ちょっとした小物や仲間たちとの関係も含め、あらゆる要素がこの一瞬のためにあったのだ、という清々しさをもたらしてくれる、まさに魔法のような一冊だ。
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●『カラフル』(森絵都 理論社)
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死んであの世へ行くはずが、「抽選」に当たったということで、見知らぬ少年の体を借りて人生を「再挑戦」することになった「ぼく」。だが、大量の睡眠薬を服用して自殺した少年小林真の家庭環境はけっして心地よいものではなく、うんざりさせられっぱなしだった・・・。
思春期の少年少女を書かせたら右に出る者のいない著者のなかでも、とくに珠玉の一冊とも言える本書は、「気づき」の物語でもある。ただでさえ逃げ場が極端に少ない子どもたちは、それだけで自身の境遇を客観視するのが難しいものだが、自殺した少年の境遇をまったく別の人間が生き直すというファンタジーをつうじて、それまで気がつかなかったさまざまなものに気づかされていくという過程が、ストンと心にはまるようなうまさがある。
命の価値について、あらためて考えさせられる一冊である。
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●『りかさん』(梨木香歩 偕成社)
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ようこの祖母が買ってきてくれたのは「リカちゃん人形」ではなく市松人形の「りかさん」だった。はじめはしぶしぶながら人形の世話をしていたようこだったが、そのうち「りかさん」の声が聴こえるようになって・・・。
「りかさん」の力を借りて垣間見える人形たちの多彩でにぎやかな世界が楽しい本書であるが、それ以上に人形たちが持っている持ち主の溢れんばかりの想いが、このうえなくあたたかみのある視点で書かれている。本書は一種のファンタジーではあるが、それ以上に人と人、その人の想いとの対話の物語としても成立しているところが秀逸だ。
人形という、人の姿を宿したモノへの愛着と、人の心を思いやることがひとつながりになる作品。
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