− 特 集 −
「読書」は苦手、という人のために・・・
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以前、図書館司書の友人と「どうしたら本を読んでもらえるか」ということを話していたときに、「あえて小説を外す」という意見がありまして、今回はそうした「読書」へのきっかけにつながるような本を紹介します。
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●『ないもの、あります』(クラフト・エヴィング商會 ちくま文庫)
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架空の会社「クラフト・エヴィング商會」が扱っている商品カタログ、という体裁をとっている本書ですが、出てくる商品はどれも摩訶不思議なものばかり。
いくつか例を挙げてみると、たとえぱ「助け舟」という名の船だったり、「堪忍袋の緒」という名の紐だったりと、ふだん私たちがよく耳にする慣用句をそのまま商品として売っているのですが、なかには「思う壺」とか「左うちわ」とか、何の役に立つのかよくわからないようなものまで扱っているところが、遊び心溢れる本書のミソです。
あくまで商品カタログなので、ちゃんと商品イラストもついています。そのぶん、文章も少なめで、読書初心者にはうってつけの一冊です。
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●『ナンシー関の記憶スケッチアカデミー』(ナンシー関編 角川文庫)
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与えられた「お題」に対して、記憶だけを頼りに絵を描いて投稿するという「通販生活」の投稿コーナーをまとめた本ですが、とにかく投稿された絵が似ていない。まるでエイリアンのような「カマキリ」や妙にふてぶてしい「ペコちゃん」、犯罪者のような「サンタクロース」などなど、いかに人間の記憶が当てにならないかを思い知らされます。
また、作品に対するナンシー関のコメントも絶妙で、本書の面白さは編者であるナンシー関の裁量によるところも大きいです。せっかく人が本物っぽく見せようと悪戦苦闘しているのに、その努力がまったく報われていないというギャップが、また笑いを誘うという、まさに笑いのスパイラル!
ふだん偉そうにしているあの人も、記憶だけで絵を描けばこんなもんだ、という意味では爽快な味わいを残す一冊です。
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●『ピクトさんの本』(内海慶一 ビー・エヌ・エヌ新社)
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「ピクトグラム」という言葉をご存じでしょうか? ふだんいろいろな場所で、私たちの代わりに危ない目や痛い思いをして、私たちに事前に危険を知らせてくれるマークのことですが、そんな彼らのある意味涙ぐましい活躍(?)を紹介しているのが本書です。
転倒、頭打ちはもちろんのこと、感電したり挟まれたり轢かれたり墜落したりと、まさにいろんな危険に体を張っている「ピクト」さん。こんなに種類があるんだという驚きもさることながら、まるで彼らに人格があって、どころか種類による優劣や矜持があるかのように紹介している文章も秀逸です。
ページを読んだら最後、きっと街中の「ピクト」さんの活躍が気になって仕方がなくなること請け合いの本です。
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