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大阪屋との共同企画の一環として、「映像化は絶対無理! 本でしか味わえない衝撃の小説」と称した文庫増売キャンペーンが展開されておりますが、映像化できるできないはともかくとして、「衝撃のラスト」系の作品なら、栗田読書倶楽部でもいろいろ紹介できるはず! と妙な対抗意識を燃やしてみました。
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●『睡蓮の教室』(ルル・ワン著 新潮社)
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「衝撃のラスト」という意味では、ここ最近でもっとも驚愕したというか、ビビった作品。文化大革命という名の粛清の嵐が吹き荒れる中国で、ふたりの女の子が出会い、お互いに友情を深めあうという内容なのだが、ひとりは反共産党的思想犯の烙印を押されはしたもののインテリの家族であり、もうひとりの父親は出稼ぎ農民ということで、じつは根強い差別意識がふたりの友情を妨げる障害となっている。
インテリの女の子は、そうした差別や中国の今の状況はおかしいと考え、もうひとりの女の子のたぐいまれな才能をなんとか皆に認めてもらおうといろいろ努力をして――というふうに書くと、いかにも「困難を乗り越えて育まれる友情」といった綺麗なテーマを想像するのだが、そんなふうに構えて読んでいくと、最後にとんでもない衝撃に襲われることは間違いない。
日本ではあまり知られていない、当時の中国の階層意識などの知識や雰囲気にも触れられる一冊。
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●『神曲法廷』(山田正紀著 講談社)
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日本の司法制度の矛盾になじめず、今は休職の身にある東京地検検事の佐伯は、先輩の検事から「神宮ドーム」の設計者、藤堂を探してほしいと依頼される。そこで起きた火災事件の公判で、彼の証言が必要なのだという。だが、まさにその公判が開かれようとしていたその日、東京地検内部で凄惨な殺人事件が・・・。
一見するとというか、内容としては殺人事件を解決するという流れの正統派ミステリーなのだが、この作品を支配しているのは、ダンテの『神曲』に象徴される何か形而上的な存在であり、人間による謎解きや、裁判で人が人を裁くといったことに対するこのうえないアンチテーゼが貫かれている。
一歩間違えるとミステリーとしては反則スレスレ、という作品だが、だからこそ最後の最後で起こったある出来事は、読者をとんでもない驚愕へと叩きこむことになるだろう。
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●『通訳』(ディエゴ・マラ−ニ著 東京創元社)
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ジュネーヴの国際機関で通訳サービスに従事するある通訳が、仕事中に異常を来たすようになる。十六ヶ国語を操る優秀な通訳だが、意味不明な奇声や口笛を発するようになったのだ。責任者のベラミーは彼を解雇するが、彼の症状は伝染性のものだった。同じように通訳作業に支障をきたすようになったベラミーは、消えたその通訳の行方を追うのだが・・・。
あらゆる生き物の根源につらなる「真の言語」という魅力的なキーワードが物語の中心となって展開していく作品であるが、その正体不明の「通訳」が最後にたどりついた境地や、彼を追っていたベラミーが見たもの、という点では、文字どおり「ええーっ」と声をあげてのけぞりたくなるような衝撃があった。
私たちがあたり前のように使っている言葉について、あらためて目を向けさせてくれる一冊。
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栗田・大阪屋共同企画
− キャンペーン対象文庫 −
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●『殺戮にいたる病』
(我孫子武丸 講談社文庫)
最初に明かされるのは犯人の名前・・・。辛酸の果てに待ち受ける驚愕の真実!
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●『魚舟・獣舟』
(上田早夕里 光文社文庫)
圧倒的な想像力で紡がれる異世界の物語。小松左京賞受賞作家の第一短編集。
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●『イニシエーション・ラブ』
(乾くるみ 文春文庫)
絶品の恋愛小説にして究極のミステリー。必ずもう一度読み返したくなります!
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科学者たちの好奇心にビックリ
ここで紹介するのは小説ではなくて、実際にあったことを綴ったノンフィクションなんですが、とにかくやろうとすることがムチャクチャというか、いろんな意味でビックリさせられることが多かったので、あえて紹介したいと思います。
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『自分の体で実験したい』 (レスリ−・デンディ&メル・ボ−リング 紀伊国屋書店)
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というわけで、紀伊国屋書店から出ている『自分の体で実験したい』は、そのサブタイトルに「命がけの科学者列伝」とあるように、科学の発展のため、自説の証明のため、自分自身を実験台にした科学者たちの、文字どおり血と汗と涙の列伝です。
あるときは高温に蒸された部屋に入り、あるときに超高速のロケットスレッドに乗り込み、あるときは日の差さない洞窟に何日も閉じこもったり――なかには病原菌にあえて感染して死んでしまったりした科学者たちもいて、読んでいて「よくやるなあ」と思ってしまうのですが、彼らの実験なくして今日の私たちの生活はありえない、というのもまぎれもない事実だったりします。
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歯医者で麻酔を受けるときや、自動車のシートベルトを締めるとき、その発明の裏にどんな無茶な実験があったのかを、思い起こさせる一冊です。
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