栗田読書倶楽部Web通信

2008年(平成20年)5月26日

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− 特  集 −
初夏のさわやかな季節 読書の季節
なんともさわやかな表題ですが、だまされてはいけません(笑)。オヤジ語りにツンデレにガンダム・・・栗田読書倶楽部は今日も元気です。
 ●東京は今日も雹だった これがほんとの雨アラレ
 3月上旬に秋田、山形へ一泊二日の出張。「雪は物凄いだろうなあー」と出張前日より登山靴もどきを十年ぶりに下駄箱から出して磨き、防水スプレーもバッチリ!襟巻き、ホカロン、タイツも身につけて、いざ秋田へ。大失敗。車内汗だく、結局シャツいち。「まあ、現地は寒いべー。」大失敗。快晴、雪ほとんどなし。(誰だ?こんな私を雨男って言う人は?雪の代わりに雹と霰が降りました。沖縄は雨ばかりだったのに・・・.)そんな、間抜けな道中に読んだ感涙小説と関連書・周辺本を今回は何冊かご紹介します。(秋田、山形は新幹線が通ったとはいえまだまだ遠い。読書にはよいのですが、煙草が吸えないのがツライ…車両が小さいせいか隣のオヤジの肘がぶつかってくる→避けるので益々席が狭くなってしまうという悪循環。)

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 まず一冊目「30%の幸せ」(内海隆一郎著 メディア・パル刊)。二○から成る様々な短編集。S書店様からの紹介を受けて読み始めました。いやいや秋田新幹線が水浸しになるぐらい泣きました。トシのせいか涙腺弱いのも、もちろんありますが、どの短編も全部いいです。(フォントがでかいので、老眼のS部長でも充分読めますよ!)毎日あくせく暮らしていくなかで、「幸せ」を感じることって無いと思っている方は、いかに毎日平凡に暮らしていくことが大切かを教えてくれる一冊ですから是非、一読を。栗田読書倶楽部でも拡売していきますので販売の協力も。
 二冊目。「田中角栄の超人材育成術」(小林吉弥著 講談社+α文庫)。

 (田中角栄については、好き嫌いがあると思いますので「嫌い」な方は、ココは飛ばしてください)

  政治家とは?人を使うとは?ボスとリーダーの違いとは?率先垂範の本当の意味は?など大変参考になりました。ビジネス本としてオススメします。わたくしの感想は良い意味で「田中角栄は人たらし」です。

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 三冊目。「やどかりとペットボトル」(池上永一著 角川文庫)。エッセイです。これを読む限り、やっぱり作家になる人って幼少のころから「変わり者」が多いのがわかります。(わたしは沖縄関連本として読みました。)

 ちなみに、似ている作家名つながりで四冊目というか四人目。池永陽。「ひらひら」「コンビニララバイ」「走るジイサン」(いずれも集英社文庫)のどれを読んでもいい。(以前、読書倶楽部の誰かが推薦してた?かもしれません。)特に「ひらひら」はオススメ。映像化したらいいのになあ。(主役は松田優作の息子がいいと思う。→名前でません。)
 というわけで、今回も全く脈絡ない本の紹介ですみませんでした。KD部長さまへ
 今回もゴルフ本の紹介できずにすみません。先日、ゴルフコミックの別冊付録についていた「ゴルフ愛」というコミックは良かったです。いつもレッスン書ばかり読んでちゃダメ! ゴルフ感動本も(コミック含む)読みませう。(しかたなし)
− ツンデレ小説 −
「べ、別にアンタのことなんか何とも思ってないんだからね! 勘違いしないでよ! た、たまたま材料が揃ったから原稿書いてるだけなんだから!」
 というわけで、巷では「ツンデレ」なるものが流行っているらしいですが、普段そっけないフリ(ツンツン)しているくせに、じつはベタ惚れ(デレデレ)という女の子、じつはいろんなジャンルの小説にも遍在しているようです。
『スロウハイツの神様』
(辻村深月 講談社ノベルズ)
 まずミステリーからは、辻村深月の『スロウハイツの神様』に登場する赤羽環。彼女は人気急上昇中の女性脚本家で、人一倍負けん気の強いところがあるのですが、じつは小説家チヨダ・コーキにベタ惚れで、彼の小説のキャラクターが登場する対戦格闘ゲームをこっそりやり込んでいたりするかわいい一面をもっていたりします。
 次にSFの方面からは、小川一水の『復活の地』に登場するスミル。大震災という未曽有の出来事のせいで、急遽レンカ帝国の摂政に就くことになった皇族の少女だが、震災復興の中心人物であるセイオの傲慢な態度にむかっ腹を立てながらも、そんな彼になんとか認められたいという執着心がいつしか恋心に変わっていくという、直球ど真ん中なツンデレ少女です。
『復活の地』
(小川一水 ハヤカワ文庫)
『僕僕先生』
(仁木英之 新潮社)
 最後にファンタジーからは、仁木英之の『僕僕先生』に登場する僕僕。仙人でありながら見た目は十代の女の子というギャップもさることながら、仙人の素質もない人間の王弁を弟子にとり、いろいろと連れまわしたり変にからかったりするところ、「そっけない態度をとりながらも気になってしょうがない」というツンデレの王道をひた走っちゃっていたりします。
 ちなみに、私の基準では綿矢りさ『蹴りたい背中』の長谷川初実も立派な「ツンデレ」です。自分に無関心な男の子の背中を蹴っちゃうところなんか、屈折してますよね。

   

◆◆ キミは本当のガンダムを知っているか? ◆◆


機動戦士ガンダム

【富野由悠季 角川文庫】

 とある番組に出演していた30代半ばのお笑い芸人が「ガンダムはほんとうはエロいんです!」と熱く主張していたのを見た。確かにガンダムにはお色気シーンがあったはずだ。セイラさんやフラウ・ボウ、ミライさんだって、入浴シーンや水着を披露していた。しかし、この芸人はTVでなく、小説のガンダムがエロいとしきりに叫んでいたのだ。
 小説のガンダムとは、脚本担当の富野喜幸(由悠季)が書き下ろしたもので、今は亡き朝日ソノラマ文庫で発表されていた。ちなみに今は角川スニーカー文庫で刊行されている。まだ少年のころの小生はこのソノラマ文庫のガンダムを読んで、確かにエロさにびっくり仰天したことを思い出した。
 アムロはアニメのように、ひょんなことからガンダムに乗り込み天才的に操縦するのではなく、連邦軍のテストパイロットであるのだが、とにかく自意識が強くてギラギラした目で周りの女性を見ているのだ。しかもフラウ・ボウなんて、まだ子どもで自分には役不足だという嫌味な思い上がりもはなはだしい、ロボットアニメの主役に似合わない設定なのだ。そのアムロが狙っているのは美人オペレーターでみんなが狙っている「金髪さん」ことセイラさんである。しかも欲望ギラギラの目で狙い、ニュータイプであることを鼻にかけて見事落としてしまうのだが・・・。さらにアムロは戦場に行くためのお守りが欲しいと、セイラにとんでもないものまで要求するエロあつかましさ!しかもそのセクハラ要求はあの生真面目なブライト艦長がアムロにけしかけ、なおかつ天下の一大事にように騒ぎ立てる始末。
 ライトノベルなのにとても「大人仕様」の文庫ガンダムは最後にあっけない衝撃のラストまで用意されている。ギレンが、アムロがこんなことになるなんて。最後までびっくり。(シャリア・ブル)