栗田読書倶楽部Web通信
2005年(平成17年)10月25日
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− 特 集 −
第二回覆面座談会(北赤羽にて)
今回の覆面座談会では、栗田読書倶楽部発足当初より当倶楽部の活動に賛同頂いている、某銀座にある出版社のNさんをゲストに迎え、熱く語り合いました。Nさんは大変な読書家ですが、ご多忙のなかをわざわざ東京最果て(?)の北赤羽までいらしていただきました。ありがとうございます。
※会を円滑にする為、アルコールを少量摂取しながらだった事を予めお断りしておきます。
S・T
まずは栗田読書倶楽部をどう思われますか?
Nさん
うーんそうですね。こういう集まりというのを会社の場でやるというのは珍しいですよね。
S・T
年末年始にかけてどういう本を読まれましたか?
Nさん
あまりベストセラーとか新刊とかは読まないですからね、しいて挙げれば人文系の本をちらほらと。
S・T
この著者の本なら迷わず買うという作家はいますか?。
Nさん
「車谷長吉」と「飯嶋和一」、この二人は迷わず買いますね。特に飯嶋和一の「黄金旋風」は昨年のベストに入りますよ。
S・T
ひと月の読書量は?
Nさん
ナナメ読みが多いですけど、月に5〜6冊ぐらいかな。
S・T
昨年読んだベスト5は?
Nさん
5作品をあげるのは難しいけれど、ベスト1は
『黄金旅風』(飯嶋和一・小学館)
かな。買ってすぐに読んだ。ワクワクしたなあ。
H・O
今、時代小説は元気いいですからね。
S・T
スカッとするんじゃない、正義が悪を断つという構図がさ、セーラームーンと一緒だよ。
Nさん
ベスト2は
『忌中』(車谷長吉・文藝春秋)
だね。ベスト3は海外もので
『贖罪しょくざい』(イアン・マキューアン・新潮社)
かな。
一同
(反応なし)
Nさん
『愛という名の病』(パトリック・マグラア・河出書房新社)
も久しぶりの新作で面白かったですよ。
一同
シ〜ン(黙ってグビグビ)
読書倶楽部の方々は反応ないみたいですけど、イアン・マキューアンの『贖罪』をベスト3に入れたりするところ、なかなかあなどれない読書傾向だと思います(サイト管理者)。
S・T
海外ものは最近ほとんど読んでないなあ。一時期は読んでたんだけど。
S・Y
基本的にはやっぱりチャンドラーがあった訳じゃない。(語気強く、顔赤く)そこから入って昔は貪り読んだけどなあ。どうも最近はね。
Y・M
なんで最近は読まなくなったんですか?
S・Y
登場人物の呼び方とかがコロコロ変わるからわかんなくなっちゃうんだよね。あと、出てくるのが全部外人ばっかりだし。
一同
それはあたりまえだっつーの。(爆笑)
K・K
あとS・Yさんは登場人物が5人以上出ると覚えきれないんだよ。
S・Y
そんな事ないよ!(と怒っているが、ないはず・・と心で思いながらイッキ飲み)
と、S・Yの「明日の記憶」(萩原浩・光文社)を心配しながらも、話題は海外文学の話へ・・・
S・T
海外ものといえば翻訳者が重要だと思うんですが、誰かお勧めの方はいらっしゃいますか?
Nさん
翻訳者といえば「柴田元幸」ですかね。この人は売れる売れないではなくて、気に入った小説しか翻訳しないんですよ。
T・S
訳者ごとに棚を作っても面白いですよね。普段は海外ものを読まない人でも、たとえば「村上春樹」訳だったら必ず読む人もいますからね。
Nさん
海外ものははずれが少ないのでお勧めですよ。国書刊行会のシリーズものとか。
S・T
そう、あのシリーズはカッコイイ、つい集めたくなる。あと読みもしないくせに、今買っておかないとっていうのはあるよね。
S・Y
ポケミスはあつめたいな〜と思ったけどね。
T・F
えっ、「ポケモン」を集めてたんですか?
S・Y
違う、「ポケミス」だよ、早川書房の。
※ポケミス=ポケットミステリーのこと。
Nさん
今どこの書店さんも海外ものでは苦労しているはずですから、極端に差別化を図るなら狙い目のジャンルだと思いますよ。
S・T
自社本でお勧めは?
Nさん
海外つながりで言うと
『若かった日々』(レベッカ・ブラウン・マガジンハウス)
がお勧めですね。周囲が豪華なんですよ。翻訳に「柴田元幸」、帯に「小川洋子」、朝日新聞では「三浦しをん」が紹介、トドメは「川上弘美」が書評を書くと。
T・S
それは凄いですねー!
H・O
書店に対する要望は何かありますか?
Nさん
ジャンルをもっとぐちゃぐちゃにした方が良いのでは、と思うことが時々ありますね。やはりお客さんの目に触れないと意味がないですからね。目的買いの人は少数ですからこの際置いておいて、普段は決まりきったコーナーにしか行かない人をいかに振り向かせるか、これに尽きるのでは。
S・T
Nさんみたいな読書好きはあまりいないからね。
Nさん
もう絶滅人種ですかね。
S・Y
図書館へは行かれないんですか?
Nさん
小・中学生の頃は良く行ってたけど、それ以来ほとんど行ってないですね。。
S・Y
今読書推進が叫ばれて、朝の読書運動も広まってきましたよね。
Nさん
小・中学生の頃は純粋ですから、面白い本を薦めれば何でも吸収しますよ。(グビッと)彼らは狙い目ですよ! 読書推進は家庭からですよ、やっぱり! という事は彼らが成長する10年後には出版業界も安定すると。果報は寝て待てですかねー(訳わからん)
S・Y
いや飲んで待てだよ!(とイッキ飲み)
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栗田読書倶楽部の
たのしい仲間たち
●S・T
耳に挟んだ赤鉛筆がよく似合ういなせな江戸っ子。とにかくよく喋るが、今回の座談会で意外な方面に詳しいことが明らかに?
●H・O
会員きっての豪腕会報編集長。温厚かつ紳士的態度は相変わらず、さらに最近はいぶし銀的な渋さも増したという未確認情報も?
●S・Y
誰もが認める当倶楽部の会長――のはずが、前回の座談会では会員のマスコットのごとく扱われ、一躍いじられキャラと化す。今回は名誉挽回なるか?
●K・K
国内ミステリーをこよなく愛する当倶楽部のご意見番。会員にボケに対しては鋭いツッコミを入れる律儀な一面もある。
●T・S
当倶楽部のなかでは珍しくヒトへの気遣いができる人格者。でもそのせいか、肝心なときにおよび腰なところも?
●Y・M
(初登場)
当倶楽部の若き女性会員。元気一杯、夢一杯、ときにその夢想癖が暴走するのもご愛嬌? POPづくりの才能は会員随一。
●T・F
(初登場)
漫才でいうところの「ボケ」を地でいくムードメーカー。
書店員が選ぶおすすめ文庫フェア
− 青春・恋愛小説部門 −
前回に引き続き、文庫フェアで厳選されたベスト20の残りを紹介します。
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『翼はいつまでも』(川上健一 集英社文庫)
青森県の平凡な中学三年生、神山。夏休み、彼を慕うさまざまなトラブルに、恋と仲間とビートルズがくれた勇気で立ち向かう。もう一度中学生に戻りたくなる一冊。あなたは彼のように行動できますか?(青森県三沢市 成田本店三沢店様)
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『キスまでの距離』(村山由佳 集英社文庫)
初めに手に取って、面白いかなと思い読み始めました。読んでいくうちに次のシリーズが出るまで、待ちきれなくなりました。今は勝利とかれんと恋の行方が気になります。恋愛小説では、一番おすすめです。(岩手県二戸市 ブックスにのへ様)
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『神様のボート』(江國香織 新潮文庫)
〜あたしたちは旅をしている。神様のボートに乗って〜 彼女のように一途に誰かを想えたらいい、と思う夢見がちな母とクールな娘。対象的な二人がふたりがおりなす静かな狂気のものがたり。(山形県高畠町 ブックユニオンやまがたたかはた店様)
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『西の魔女が死んだ』(梨木香歩 新潮文庫)
読むことで気づく、今の自分が何をしなければならないのか。ごく自然でありきたりな日常の中で自分を見つめられる作品。一つ手に取って読んでみて下さい。そこで何かがわかるから…(福島県原町市 文芸堂書店国見町店様)
− 不朽の名作部門 −
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『太陽の子』(灰谷健次郎 角川文庫)
最近、自殺をする若者が増えているが、一つの「生」と「死」について考えてみてほしいと思う。今ある「生」は決して自分一人のものではなく、たくさんの人々の「死」や「悲しみ」の果てにあるのだということを忘れてはならない。(福島県いわき市 小泉屋いわきサティ店様)
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『鉄道員』(浅田次郎 集英社文庫)
浅田次郎の短編集。8作品からなる浅田ワールド。<鉄道員> 亡くなった娘が成長し、駅長の目の前に現れる。佐藤乙松の一途な姿に涙。最後まで仕事一筋に生きる男、鉄道員。(福島県原町市 文芸堂書店桜井町店様)
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『沈黙』(遠藤周作 新潮文庫)
神は本当にいるのだろうか?神が見守ってくれるからこそ荒れ狂う海を乗り越えることができ、幕府の残忍な拷問に耐えることができる。しかし、いつも神は黙ったまま。もしかして…神は…本当はいないんじゃないか…そんなお話。(福島県相馬市 文芸堂書店相馬店様)
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『潮騒』(三島由紀夫 新潮文庫)
青く広い海とその海に生かされている者たちの自然信仰。小島に響く潮騒の中、工地に生きる若い男女の自然な恋。まっすぐで美しい人間の姿を一読し、見つめてほしい一冊です。(福島県いわき市 小泉屋いわき駅ビル店様)
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