栗田読書倶楽部Web通信

2005年(平成17年)1月11日

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− 特  集 −
ズバリ! 栗田読書倶楽部選
私が読んだ2004年ベスト
タイトル通り縛りはありません。10位以下も勿論、内容は保証付!
 第1位『イニシエーションラブ』
  (乾くるみ 原書房)
意外性がスゴイ! 1日半で2度読んだ本は、この本だけ。
 第2位『家族狩り 全5巻』
  (天童荒太 新潮社文庫)
この作品ほど、深く感動できる小説にはなかなか出会えません。様々な境遇の登場人物が徐々につながっていくストーリー展開に感動。
 第3位『死亡推定時刻』
  (朔立木 光文社)
これがNO.1とずっと思ってました。1位にしたい気持ちもまだ残ってます。成田S舎I店長、増売ありがとうございました。自分自身にもふりかかりかねないテーマ。一気読み!
 第4位『犯人に告ぐ!』
  (雫井脩介 双葉社)
新しい警察小説だ! 私にとっては一気読みできる本(眠る時間を忘れる本)が「良い本」なので、この小説をベスト3に入れました。
 第5位『翼はいつまでも』
  (川上健一 集英社文庫)
誰もが経験してきた、思春期のモヤモヤ・イライラ・ドキドキを見事に描いてます。理屈ぬきで泣けます。少年の淡い恋。
 第6位『終着駅』
  (白川道 新潮社)
中年の暴力団員と盲目の少女との奇妙な心の交流を描いた作品は久しぶりに面白かった。
 第7位『壬生義士伝 上・下』
  (浅田次郎 文春文庫)
新選組に染まった1年でした。「誠」の御旗のもとに!!
 第8位『負け犬の遠吠え』
  (酒井順子 講談社)
流行語大賞は逃したが、30歳未婚女性だって頑張ってます!!「負け犬」予備軍です。ズキズキと思い当るフシ多し。ふむふむとうなずいていました。
 第9位『家守綺譚』
  (梨木香歩 新潮社)
主人公が体験する自然界との交流を通して、ハッとさせられます。あわただしい日常にいる人へぜひ。
 第10位『クライマーズハイ』
(横山秀夫 文藝春秋)
男を感じました。自分ができないから、うらやましい。

以下、甲乙つけがたい入選作品。欲張って掲載します。
●『残虐記』(桐野夏生 新潮社)
帯を読んで想像するものとは違う、桐野らしい小説。

●『神無き月十番目の夜』(飯嶋和一 河出文庫)
江戸時代黎明期に常陸の国生瀬(現在の茨城県月居温泉あたり)で起きた一村滅亡の裏側。地方と幕府との激しい攻防。今も昔も中央政権に対抗するには犠牲が必要なのか? 一気読みの一冊。

●『Fake(フェイク)』(五十嵐貴久 幻冬舎)
ミステリー小説と賭事が好きで仕事に恋愛にちょっぴり不器用な人に是非オススメな1冊。649739/649740の確率でハマること間違いない!?

●『暗黒館の殺人 上・下』(綾辻行人 講談社)
「館」シリーズ12年ぶりの新刊にふさわしい著者の集大成。至福の時間が約束される作品です。

●『蛍』(麻耶雄嵩 幻冬舎)
本格ミステリはトリックの使い方次第でまだまだイケることを実感しました。

●『監獄島 上・下』(加賀美雅之 光文社)
読んでいて、頭がくらくらしました。

●『DVD志ん生全集』(講談社)
いやー、講談社エライ!こういう企画を待ってました。次は馬生全集出して下さい。(その次は志ん朝ネ)

●『ナショナリズムとは何か』(姜尚中・森巣博 集英社)
イラク戦争がまだ収まりません。原因は?この本で読めば一発で全てわかります。

●『DIVE!!1〜4』(森絵都 講談社)
飛び込みという、日本ではマイナーな競技に青春をかける少年たちの心情が秀逸。おかげで今回のオリンピックは高飛び込みに注目してしまいました。

●『祈れ、最後までサギサワ麻雀』(鷺沢萌 竹書房)
著者の絶筆になってしまいました。(合掌)初の麻雀モノだったのに。本当に残念です。女性版伊集院静にだってなれたのに…。つくづく惜しい。

●『終戦のローレライ 上・下』(福井晴敏 講談社)
これぞ男! とにかく手に汗握る展開の連続に、読んでいるこちらの心まで熱くなってきます。ラスト近くは涙なしには読めません。

●『犬は勘定に入れません』(コニー・ウィルス 早川書房)
基本はタイムトラベル。でもミステリとしても恋愛小説としても、ユーモア小説としても楽しめます。ジェローム・K・ジェロームの『ボートの三人男』が好きな人は是非。

●『封印作品の謎』(安藤健二 太田出版)
ウルトラセブンの12話はなぜ欠番となったのか。ブラックジャックには何故単行本未収録作品があるのか。封印に至る原因と問題点を指摘した、ただの暴露本ではない考えさせる書。

●『壁際の名言』(唐沢俊一 海拓舎)
あまり知られてない名言の数々を紹介。「おまえらせいぜいまずいものでも食って長生きしろ」(尾崎紅葉)「バレなきゃイカサマじゃないんだぜ」(ジョジョの奇妙な冒険)

●『人間コク宝』(吉田豪 コアマガジン)
危ない話を引きだす吉田豪の才能はスゴイ。インタビューのコツは「敵にならぬよう、味方にならぬよう、ギリギリのラインを保つこと」らしい…。

●『愚か者死すべし』(原寮 早川書房)
やっと出ました。9年ぶりの待望の新刊です。日本版ハードボイルドの最高峰を読め!

●『なぜ安アパートに住んでポルシェに乗るのか』(辰巳渚 光文社)
現代日本のミステリアス・マーケットの秘密が分かります。

●『文学的商品学』(斉藤美奈子 紀伊国屋書店)
小説の中に出てくるファッションなどが表わすその時々の時代を読み解くという本。小説のもうひとつの楽しみ方が分かります。

●『さようならギャングたち』(高橋源一郎 講談社文芸文庫)
「さよならギャングたち」は主人公の名前で、その彼女の名前は「S・B(中島みゆきソングブック)」です。説明不可能な内容ですが、イイ!!

●『狂人日記』(色川武大 講談社文芸文庫)
「本年度の純愛小説」といえば、僕の中ではこれです。

●『園芸家12ヶ月』(カレル・チャペック 中央公論新社)
夏目漱石と同時代に書かれたとはとても思えない程、ユーモアのセンスに富んでいるのは、訳者のおかげ?

●『山谷崖っぷち日記』(大山史朗 角川書店)
「人生に向いていない…」という理由で社会からドロップアウトした著者が綴る現代の「方丈記」。開高健賞受賞作品。

●『浅草博打一代』(佐賀純一 新潮社)
大正から昭和にかけて、浅草一帯に勢力を張った博徒が語る、波乱の生涯。ボブ・ディランにも影響を与えた一冊。

●『あやめ鰈ひかがみ』(松浦寿輝 講談社)
年も暮れの東京・下町を舞台にした3つの短編。「終わりの方」へ突き進む男達の姿に恍惚的な悲しさがあふれる。

●『黄金旅風』(飯嶋和一 小学館)
編年体っていいもんだと思いました。読みごたえアリ、涙アリ。サイコーです。

●『雨鱒の川』(川上健一 集英社)
読んで2回泣きました。(3回泣いた人もいるようです)

店頭で動き始めています!

 ●『死亡推定時刻』
 (朔立木 光文社)
仕掛け販売特別号の効果がじわじわときてます(成田市 S書店店長より)。
激励を頂いております。『このミステリーがすごい!』第1位を上回る作品登場! ベストセラーなんか売っている場合じゃない! 書店の誇りにかけて推薦しましょう』・・・ブームは韓流だけではつまらない!

 ●『イニシエーションラブ』
 (乾くるみ 原書房)
真相が知りたくて、モヤモヤした夜は長かった(U・Aより)。
読み終えたら、必ずもう一度読み返したくなること間違いなし! ただの恋愛小説だと思っていた物語が、ガラリとその内容を変える・・・。もうすっかりしてやられましたよ!

おススメ作家編(白川道の巻)
 「読書推進は社内から!」をキャッチフレーズに栗田読書倶楽部を発足させ、はやくも一年が過ぎようとしています。これまでの活動は、主に週報や社員食堂でのおすすめ本陳列等、どちらかと言えば“地味”な活動でした。2年目を迎え、もう少し対外的にもPRしたいと考えています。
 そこで、今月より作家別に読んでほしい、売ってほしい、知ってほしい作家を紹介していきます。


『病葉流れて』
(幻冬舎文庫)
 記念すべきトップバッターは、“白川道”。『流星たちの宴』での衝撃的なデビューより10年。新刊が出る度に(出る前から)ソワソワして仕事が手につかない作家の一人です。特に今回のおすすめは、『流星たちの宴』で株の世界にハマッた主人公・梨田雅之の若き日を描いた『病葉流れて』(小学館)三部作です。
 至るところに“白川節”がちりばめられていて、次のページに進むのがもったいない感じでした。

 例えば、3巻「崩れる日なにおもう」の一節では「いろんな人間がおっていいおもう。無理やり自分に不慣れな人生を送ろうとおもえば疲れるだけだし、疲れる、疲れない、だけで選ぶ人生じゃしょうがないかって気もする。」(うーんたまらん)。
 ここまでは、白川道のギャンブル小説の紹介でした。次に、この秋に刊行された『終着駅』(新潮社)にもどうしても触れたい!! この一作によって、白川道は新境地開拓となりました!!(拍手)。ずばり純愛小説。泣きました。こんな小説を書けるなんて、やっぱり白川道スゴイ!! 盲目の少女とヤクザの主人公の細くても熱い心の交流。

 あー、ページが残り少なくなってきました。最後に私の選んだ白川道ベスト3を書いて終わります。

1.『流星たちの宴』新潮文庫
2.『終着駅』新潮社
3.『病葉流れて』三部作・小学館

(書籍仕入部○T)


おススメ作家編(梨木香歩の巻)
 上で掲載されているTさん含め、読書倶楽部会員は読書の量・質とも相当な人達。そんな中で守備範囲の狭い私にも自信をもっておすすめできる作家と言えばこの人。
 Tさんが紹介されていた作家とは、ジャンル・作風とも異なり、児童文学・絵本を含め色々ですが、まずは今年発刊された2つの作品から。

 『家守綺譚』(新潮社)は、亡くなった親友の親に頼まれ、管理する(家守)ために住み込んだ家でのちょっと不思議なお話。自然界に畏怖と畏敬の念で接することの出来た人達がまだ多数いたであろう時代。庭の木々に始まり、犬・狸・狐・鯉・河童・幽霊等々登場するものはちょっと変わっていますが、主人公との会話・対話・交流が良く、静けさの中にもハッ!とさせられる場面が多々出てきます。草木事典が手元にあると情景がより見えてくるかも。

  『村田エフェンディ滞土録』(角川書店)は百年前の留学生村田君のトルコ滞在記。前作が自然界との交流なら、こちらは異文化・他国の人達との交流。戦争気運の高まる中で、トロイ遺跡調査で留学した主人公。下宿先には様々な国からやってきた人達が集い、激しくぶつかり合いながらも互いを認め合って行く。お国の神様同士の勢力争いもはさんで、また、戦争の無意味・非常さも折込み、最後は以外な所に物語が繋がります。

『村田エフェンディ滞土録』
(角川書店)
 どちらも派手な作品ではないですが、慌しい毎日に疲れた心に染み込んでくる物語です。一読し共感されたら、貴店でもぜひおすすめを。

 他にも新潮社より文庫化された作品が5点。こちらはやはり『西の魔女が死んだ』でしょうね。本屋さんおすすめの新潮文庫第1位にも選ばれた作品。思春期の女の子とおばあちゃんとの心の交流が語られており、忘れかけた何かを思い出させてくれます。

(特販二課Y)


おススメ作家編(金城一紀の巻)
 「GO」以来の金城一紀ファンの僕ですが、2004年は新作発表がなく残念な一年となりました。今年こそは「対話篇」「FLY,DADDY,FLY」を上回る、生きるパワーと切なさが混在する金城ワールドを堪能したいものです。

 金城作品の中で特にオススメしたいのは「レボリューションNO.3」です。


『レボリューションNO.3』
(講談社)
 落ちこぼれ男子高校生達が年に1回行われるお嬢様女子高校の文化祭に乱入しようと努力する、と言うドタバタの中に、恋愛・民族問題・難病の友達との友情等が盛り込まれており、史上最悪に運の悪い男・山下(ホント笑えるくらい運が悪い)や高校生でジゴロのような生活を送るアギーといった魅力的な人物が次々に登場。

 読んだ後「ギョーザ大好き!」という言葉が世界一素敵な言葉に思えるはずです。