栗田読書倶楽部Web通信

2004年(平成16年)12月1日

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− 特  集 −
最近読んだおすすめ本
 ●『家守綺譚』
(梨木香歩 新潮社)
一度読んでみて下さい。あわただしい日常から解放されると思います。
 ●『語り女たち』
(北村薫 新潮社)
聞き役である主人公と一緒に語り女たちの不思議な物語の世界に入っていきましょう。個人的には「笑顔」がマルです。
 ●『家族狩り』
(天童荒太 新潮社文庫)
単行本の方がよかった気もするが、なかなかよかった。
 ●『神無き月十番目の夜』
(飯嶋和一 河出文庫)
時は江戸時代黎明期。常陸の国生瀬(現在の茨城県月居温泉あたり)で起きた一村滅亡の真実とは? 支配する側・される側の激しい攻防と哀しい結末。今も昔も役人のやることはひどすぎる。
 ●『クライマーズハイ』
(横山秀夫 文藝春秋)
横山秀夫はこの作品と『第三の時効』を読めばOKって感じです。
 ●『犯人に告ぐ!』
(雫井脩介 双葉社)
この作家も力がある。『火の粉』とあわせて読んでほしい。
 ●『永遠の愛を誓って』
(安積政子 宝島社文庫)
旧作だが是非に。”世界の中心”を読んだ人(感動した人・絵空事と思った人)は一度読んでみて下さい。人生観が変わります。
 ●『ビッグフィッシュ』
(ダニエル・ウォレス 河出書房新社)
映画にくらべて描写もストーリーもシンプルだが味わい深い。映画を観てドップリハマッタ。
 ●『世界をだました男』
(F・アバネイル 新潮社)
ディカプリオ主演『キャッチミーイフユーキャン』原作。事実は映画より奇なり!本人の語る詐欺の種明かしに唖然呆然。
 ●『ピーコ伝』
(ピーコ 文春文庫PLUS)
しごくまっとう。こんな筋の通った男(?)はなかなかいない。
 ●『ドゥームズディ・ブック(上)(下)』
(コニー・ウィルス 早川書房)
教科書ではけっして学ぶことのできない真実の歴史の重みにおおいに泣け!
 ●『クラウド・コレクター』
(クラフト・エヴィング商會 筑摩書房)
あなたがどこかに忘れてしまったものが、もしかしたらこの本のなかで見つかるかもしれません。
 ●『東京湾景』
(吉田修一 新潮社)
メールの出会い系サイトで出会ったけれど、どうしてもお互いを信じきれない。2人のすれ違い、そして寄り添いあっていく様子が読んでいてドキドキします。よく知らない相手の見えない部分を信じることの難しさを感じます。
 ●『運命の息子(上)(下)』
(ジェフリー・アーチャー 新潮社文庫)
上巻と下巻の1/3までは読み進むのに苦労したが、ラストは稀代のストーリーテラーが上手く書き上げている。泣かせる台詞もあり。久々のジェフリー・アーチャーだったが、良かった。でも、高校時代に読んだ作品の感動には及ばず。
 ●『パンク侍斬られて候』
(町田康 マガジンハウス)
久々の町田康だったが、スゴイの一言。話の筋よりも、言葉の使い方が芸術である。ラストの加速はやっぱり、パンク作家ならではのもの。
 ●『理想主義者』
(三沢光晴 ネコパブリッシング)
プロレスの人気が落ちている。Kー1、プライドにファンをとられている。そんな中、自信をもってプロレスについて解説している姿勢が新鮮。
店頭で動き始めています!

 ●『死亡推定時刻』(朔立木 光文社)
仕掛け販売特別号の効果がじわじわときてます(成田市 S書店店長より)。
激励を頂いております。『このミステリーがすごい!』第1位を上回る作品登場! ベストセラーなんか売っている場合じゃない! 書店の誇りにかけて推薦しましょう』・・・ブームは韓流だけではつまらない!

最近読んだおすすめコミック

●角川書店『ケロロ軍曹』吉崎観音
――地球征服をもくろむケロロ小隊。そのリーダーでもあるケロロ軍曹がかわいい。かわいすぎてしびれます。/ドラえもん好きにはたまらない仕掛けがいっぱい。キャラクターもメチャクチャ可愛い。

●エンターブレイン『エマ4』森薫
――ヴィクトリア朝のイギリスを舞台にした貴族とメイドの悲恋物語。ていねいに描き込まれた画が雰囲気まで再現しているよう。この4巻では離れ離れになってしまった2人が奇縁から再会するドラマティックなシーンが収録されてます。


コミックになった小説特集

●集英社文庫『ガダラの豚1〜3』(中島らも)
――文庫全三冊が一気に読めます。まさにエンターテイメント。

●角川書店『ロードス島戦記』(水野良)
――『指輪物語』に優るともおとらないファンタジー小説の最高峰。

●新潮社『ファウスト』(ゲーテ)
――手塚版とどちらを先に読んだか覚えてないが、人の恐さを独特のリズムでつづる手法は原作でしか味わえない。

●角川書店『三剣物語』(ひかわ玲子)
――コミック化しても話がわかりやすかった。

●小学館『都立水商!』(室積光)
――前代未聞! プロの水商売を要請する都立高校をめぐるトンデモ学園ストーリー。猪熊しのぶ作画のコミックもヤングサンデーで好評連載中!

●文藝春秋『バガージマヌパナス』(池上永一)
――神様をコケにするなまけ者の女の子とやたらパワフルなバーサンの言動が見ものの沖縄ファンタジー。コミック化の原作は栗原まもる。

●文藝春秋『春の夢』(宮本輝)
――あの土田世紀(編集王の)がコミック化してます。まったく別の魅力があります。

●双葉社『牛乳アンタッチャブル』(戸梶圭太)
――あまりにもおもしろすぎて鼻から牛乳です。コミックは『漫画アクション』に連載中です。


般若心経のおすすめ本

●春秋社『チベットの般若心経』ゲシェー・ソナム・ギャルツェン・ゴンタ、クンチョック・シタル、斎藤保高
――般若心経や「空」についての本を何冊か読んで、「空」について自分なりに考えたことや疑問に関して非常にスッキリさせてくれた本。少々難解な部分もありますが、仏教に関心のある方にはとり組む価値は十分にあると思います。

●春秋社『般若心経とは何か〜ブッタから大乗〜』宮元啓一
――本を読んでもスッキリしない部分のあった「般若心経」のナゾを解くカギを与えてくれました。私にとってはベストタイミングの発行でした。「大乗」について考えるべき点のヒントも与えてくれたと思います。。

◆◆ 会員オススメのこの1冊! ◆◆


火怨(上)
【高橋克彦 講談社文庫】

 今年の新刊ではないのですが、今年読んだ中では文句なしのベスト。古代蝦夷(東北地方)の武将アテルイと中央王朝との闘いを描いた小説。
 かたや人としての尊厳を守る為、かたや中央集権国家確立の一環としての討伐行為。何年にも亘る地方と国家の闘い。これがナカナカ熱い! アテルイとその仲間達の言葉・行動・魂に何度もホロリとさせられてしまう。敵将でありアテルイの好敵手である坂之上田村麻呂でさえ、その男気に参ってしまうほど。最後は歴史を見れば明らかですが、小説として、アテルイの最後は立派の一言。読んでいてその人間的魅力に当てられっぱなしです。上下巻一気読みでした。

 『何度も目頭が熱くなる。血が脈打つ小説だ。』

 帯の北上次郎氏の惹句に偽りなし。未読の人是非是非一読を。